フリーランスの作業の流れ〜広告マンガ家の場合〜

こんにちは、漫画家のどでんちゃんです。
2019年12月に広告漫画家として独立し、現在は商業漫画家やX(旧Twitter)漫画家として活動しております。

今回はフリーランス広告マンガ家の私が普段どのような流れでクライアントさんとやりとりし、作業しているのかを、注意点を含めてご紹介していきます。

前回の記事では、ご依頼をいただいてから、納品するまでの流れや注意点を解説しました。
今回の記事ではその中でも”漫画作成の流れ”の部分に重点を置き、実例を交えて詳しく解説していきたいと思います!

(※大体のストーリーや掲載する媒体や方法が決まっている案件の場合は③から読み進めてください)

①ストーリーや(WEB広告なら)掲載媒体、掲載の仕方などについてこちらから提案をする

ヒアリングやHPなどで集めた情報から漫画に関する知見をもとに、提案をしていきます。
『ストーリーはこんな感じがいいんじゃないか』
『(WEB広告などの場合は)こんな媒体にこう載せるのが効果的なんじゃないか』…などですね。
打ち合わせ中に提案をすることもあります。

相手から何か言われるのを待つのではなくこちらからどんどん提案していきましょう。

なぜなら、多くのクライアントさんには(特に漫画依頼が初めての場合は)漫画制作に関してのノウハウが少なく、どう進めるのか?どう作っていくものなのか?がわからない可能性があるためです。
制作するクリエイティブに関してはこちら側がプロなのだという意識をもち、商品の効果や使い方を説明する販売員のような気持ちでどんどん提案や進行をしていきましょう。

②ストーリー案を送る

次に、こちらからざっくりしたストーリー案を送ります。
打ち合わせの際や提案後に「漫画制作に入る前にまずはストーリー案を送りますね。」などと告げておくといいでしょう。

ヒアリングしてみて複数のストーリー案を出した方が良さそうな場合は複数提案することもあります。
以下は以前ご提案したストーリー案の一例です。

例)マーケティングトレースというマーケティングの勉強法の漫画制作
①登場人物 女性一人(20代)

1.一人暮らしのOL
SNS上での友達の投稿からマーケティングトレースに興味を持つ。
自身もマーケティングトレースをしはじめ、SNS上で発信する。
街の看板などの些細な場所にもマーケティング的要素があることに気づけるようになり、以前より日々を楽しめるようになる。

2.登場人物 女性(30代)・夫(30代)専業主婦をしている。
夫がマーケティングトレースをしているのを見て興味を持つ。
マーケティングトレースを自身でやってみることによって視野が広がり、CMを見たり、近くのスーパーに買い物に行くだけでも企業側の考えを想像するようになり以前より普段の普通の生活が楽しくなる。

3.登場人物 女性(20代)・上司(30代)
事務員をしている。
仕事は生活するためにしょうがなくやっている。
会社の上司がマーケティングトレースの本を読んでいるのを見かける。
上司に本を借り自身もやってみるとマーケティングトレースにはまり、会社でも自発的に発言するようになる。 
※ちなみにこの時は①が採用されました。

③絵柄案を送る

ストーリー案が決まったら、それに合わせた絵柄の案を送ります。

自分が複数の絵柄をかける場合で、先方から指定がない場合は、複数の絵を候補として送り、選んでもらいます。
また、先方から指定があったり、描ける絵柄に限りがある場合は、その絵柄で一度今回の漫画のキャラクターを描いて送ります。

④プロット・ラフを送る

決まったストーリー案からプロット(コマごとのセリフや描写を文章で書き出したもの)やラフ(コマ割りや台詞、キャラクターの配置を大まかに表したもの)を作成し、送ります。

修正は、作った漫画をPDF形式にしてまとめて送り、クライアントさんに直接赤字で修正箇所を記入して返してもらうことが多いです。

⑤下書き、ペン入れ、色塗り

確認いただき、修正した後に漫画の制作に入ります。

下書き、ペン入れ、色塗りの工程ごとに確認をいただくこともあれば、仕上げまで一気におこない、後でまとめて確認してもらうこともあります。
納期やクライアントさんからの返事の速さなどによって臨機応変に対応しましょう。

あとでまとめて確認してもらう場合でも、クオリティなどのチェックのために一度1コマだけ作成し、先に確認してもらうようにしておいたほうが賢明です。

全部最後まで作ってしまってから全て直すことになった場合、時間的なコストがかかりすぎるためです。

⑥納品〜追加の作業

作業が終わり、納品した後に追加で作業をお願いされることがあります。
特に、サイズの変更や形式の変更、イラストの追加などです。

そうした場合、まずはどれくらいの時間や手間がかかるのかを考え、納期やその作業をした場合かかる費用を伝えます。

形式や仕様、納期によっては対応が不可能な場合もあるのでそういった場合は毅然とした態度でしっかりお伝えしましょう。
(私の場合はclipstudioで作成することが主なので、イラストレーター(AI)形式でのお渡しには対応していないことと、PSD形式でレイヤーを分けることはできるが、セリフを編集可能な状態では渡せないことをきちんと伝えるようにしています。)

納品が終わった後もこのように追加のご依頼があることがあるので、先方からの連絡はこまめにチェックしましょう。

ま・と・め♥

①こちらからどんどん提案する
②ストーリー案や絵柄案は必要なら複数提案する
③全部一気に完成させずに完成部分を少しだけ見せて確認してもらうようにする
④納品が終わってからの追加作業にはきちんと費用を請求し、無理なことは無理と伝える。

…というわけで、今回は【フリーランスの広告漫画家の作業の流れ】をご紹介しました。

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ここまで読んで下さりありがとうございました!!

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