フリーランスの金額交渉の仕方と作業の流れ(コミュニケーションコストを下げるためには…)

こんにちは、漫画家のどでんちゃんと申します。
2019年12月に広告漫画家として独立し、現在は商業漫画家やX(旧Twitter)漫画家として活動しております。

フリーランスでお仕事するにあたり、クライアントさんとのコミュニケーションスキルはどうしても必要になってきます。
(ここでいうコミュニケーションスキルとは、お互いが仕事の中で誤解や不信感を抱くことなく、交渉・ヒアリングから、制作物を制作し、納品にいたるまでをスムーズにすすめるスキルのことです。)

今回の記事では私が仕事をいただいてからの値段交渉の仕方とその後の作業の流れをご紹介していきます。

・イラストやデザイン、漫画などクリエイティブな仕事で独立したい人
・クライアントワークをフリーランスでこなしていきたい人
・会社で相手との交渉や、ディレクション等を任されている人
・フリーランスのお仕事の仕方を学んでいきたい人

は参考にしてみてくさだい!!

①仕事のご依頼~ヒアリングシートの送付

仕事の依頼は電話やメール、ウェブサイトのフォーム、SNSなどでくることが多いです。
まずはそれに返信します。
どのようなご依頼なのか、予算や納期はどれくらいなのかをざっくり伺い、ただのお問い合わせなのか、ご依頼しようという気持ちが強いのかを見極め、ご依頼の意思が強そうな方にはヒアリングシートを送付します。

②値段交渉

まずは相手の予算とご依頼の量を伺いましょう

例えば相手の予算が10万円、依頼量が漫画10pだったとします。
額面だけみると少なくない数字に見えますが、単価を考えると1枚1万円。

例えば私の場合だと普段漫画の単価は1枚5万円で受けている(今後改定予定)ので5分の1の原稿料になります。

この後私だったら以下3つのパターンを考えます。

・単価を上げられないか交渉する
・ページの量を減らせないか交渉する
・安くても引き受けるメリットがあるか考える。なければないでメリットを作る交渉をする

まずは普段の値段を提示し、どれくらいなら上げられそうかを聞き出します。
ページ数に関しては話をしていく中で、その量が本当に適切なのかを聞き出します。
引き受けるメリット(例えば大手の会社なので引き受けるだけでネームバリューが上がりそう、SNSが強い会社やインフルエンサーからの依頼で拡散力が強そうなど)を考え、さらに実績掲載やロゴの掲載など可能かどうかなどを聞いて自分にとってのメリットを高めていきます。

上記3点、どれも難しかった場合お断りさせていただく流れになります。
お断りの際には、『大変心苦しいのですが、ご予算や納期、ページ数を考えた結果お引き受けするのが難しいです。』などの文言を送るといいでしょう。

③打ち合わせ

予算や作業量が決まったら大体はオンラインか対面での打ち合わせになることが多いです。
打ち合わせが苦手でメールなどで済ませたい人も多くいるかと思いますが、フリーランスをやっていく上で打ち合せというものは避けては通れない道だと思うので、数をこなして慣れていきましょう。

対面での打ち合わせの場合は

・名刺
・ポートフォリオ
・メモ帳・筆記用具
・資料をもらった時用のファイルなど

を忘れないようにしましょう

オンラインの打ち合わせの場合は

・メモ帳・筆記用具
・すぐに自分のサイトやポートフォリオのURLを出せるよう準備
・(自分でルームを作った場合)可能であれば録画させてもらう

ようにしましょう。

!注意点!

※待ち合わせ時間には遅れない。遅れそうになったら必ず連絡
※相手が話していることで分からないことは必ずその場で質問する
※要点は必ずメモを取り後で聞く必要がないようにする。
※こちらの質問ばかりを押し付けずきちんと相手の話を聞く。
※後で必要となる素材がある時にはその旨お伝えしておく。
※どうしても会話の中で聞けなかったことはメモを残しておき自分で調べるか後で直接聞く。


④見積書の発行および契約書の確認

ヒアリング後、見積書の発行を求められることが多いです。

その際の注意点としては

・取引相手の名前には敬称をつける
・備考欄に、修正回数の上限や、著作権はどちらがもつか、納品形式などの留意事項を入れる
・見積書はとりあえず税別で出す

です。

また、契約はメールなどの文言でも成立しますが、大体のクライアントさんからは業務委託契約書をいただくことが多いです。
契約書は多くのことが書かれていて読むのがめんどくさく、適当に読んで契約してしまう人も多いかと思いますが、きちんと読まないと後でトラブルの原因になりかねません。
大体の契約書はクライアントさんが有利、フリーランスが不利になるよう作られている場合が多いです。

契約書の内容をきちんと理解し契約に進みましょう。

私は特に

・著作権はどうなるのか
・金額や納期はどうなっているか
・クライアントが代理店の場合、大元のクライアントに訴訟を起こされた場合、責任の所在はどこに発生するか
・契約期間はどうなっているか

は必ず確認するようにしています。

⑤制作の流れ

ヒアリング、契約が終わったら次は実際の作業に入る形になります。
クライアントさんが、設定をつくったり、ストーリーを作るような場合はクライアントさんが主体となって進行し、完全にお任せの場合はこちら(クリエイター側)が主体となって進行していきます。

例えば私の場合、
ストーリー案を何点か送る→絵柄案を送る→プロット・ネームを送る→原稿の作成(下描き・ペン・仕上げ毎にチェックしてもらう)→納品
というフローにしているため、前もってその流れになることを伝えておき、実際の作業に入ります。

そして何回かクオリティ等々の確認をいただき、修正対応後、納品となります。

⑥納品

大体の場合は形式やデータ保管の場所を確認し、zipファイルにまとめて納品します。
小さいサイズのデータはメールやSNSに添付してもいいですが、大きいデータはzipファイルにまとめて転送サービス(ギガファイル便やファイヤーストレージ等)に入れ、URLを発行して送りましょう。
相手の作業環境や、使用用途に応じて適切なファイル形式や納品方法で納品しましょう。

(例:漫画の場合は、基本PNGやJPEGなどの画像データ、レイヤーがわかれた状態のPSDデータをzipにまとめ、転送サービスに格納。作成したURLを添付して納品することが多い。)

また、ファイルやURLにパスワードをかけるなどしてセキュリティには十分気を付けましょう。
納品後のファイルは以下の可能性を考え、必ず捨てずに保管しておきましょう

・クライアントからの追加修正の要求(金額等相談)
・クライアントによるデータ破損や紛失
・納品の際のトラブル
・同じクライアントからのデータを再利用しての依頼
・自身のサンプルや実績としてのポートフォリオ等への掲載

⑦請求書の発行

納品が終わりしだい請求書を発行します。振込のフロー(月末締め・翌月末払いが多い)を確認後、見積書から内容に変更がない場合見積書とおなじ額面で請求書をだします。
クライアントが会社の場合は大体源泉徴収税を引いたものでの請求になります。

クライアントから請求書を発行してくださいと求められることもありますが、何も言われなくとも納品が終わったら請求書はこちらから発行するものと思っておきましょう。

!期日になっても入金されていない場合は…!


・ほとんどの場合は先方の手続きミスや忘れが多いです。
2,3日待って振込されていない場合はクライアントに確認しましょう。

・まれに相手側が意図的に払わないケースもありますので、その場合はクライアントに催促要求をするなどして対応します(今まで不払いにあったことがなくあまり詳しくは語れずすみません…)。

⑧仕事が終わった後の修正や追加の対応

仕事が終わった後、修正や追加で対応(データの形式の変更や、サイズの変更など)を求められることがあります。

数分で終わる作業であれば無料で対応してもいいと思うのですが、大体は追加で費用をいただくことにしています。
特にサイズ変更などは漫画の場合だと吹き出しやキャラ位置の調整などで想定以上に時間を取られる可能性があるため費用の追加は必須です。

クライアントさんには簡単に見えても作業としては工数がかかることが多々ありますので、きちんとどのようなことにどのような時間がかかるのかを説明し、その上でそれに見合った費用を請求しましょう。

ま・と・め♥

①値段交渉は値段、量、価値を考えそれに見合った報酬になるように交渉する
②契約書はしっかり確認して後で揉めないようにする
③納品後の変更や修正、追加注文はしっかり報酬を要請する

…というわけで、今回は【コミュニケーションコストをかけずにクライアントと交渉し、作業する流れ】をご紹介しました。

次回の記事では作業の際に実際にどのように先方とやりとりしているかを実例を交えて紹介していきたいと思います。

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ここまで読んで下さりありがとうございました!!

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